どーもトットです。
またまた更新が遅くなりまして申し訳ございません。
次々とランタンが入荷して参りますので、その再生作業をこなしていると、どうもブログの更新がおろそかになってしまいます。
前回分解したコールマン295ランタンを再生していきたいと思います。
目次
タンクの再生
ステッカー剥がし
まずはタンクの再生から始めたいと思います。
全てのパーツを外し終わっているタンク、しかしこのままでは塗装は出来ません。
まずはステッカーを剥がします。
こちらのランタン製造は1992年ですからステッカーもそれ以前に張られております。
約30年前のステッカーですから、貼り付けているノリも劣化しております。
そのまま剥がすとノリだけしっかりとこびりついて、厄介なことになりますのでこのアイテムを使用します!
『ヒートガン!!』
これ一家に一台あると便利です♪
わが家では子供の靴の乾燥などに使っております。
少し大き目な段ボール箱に靴を入れて、直接ヒートガンの風が靴に当たらないようにして
段ボール内の温度を高温にして強制乾燥させます。※詳しいやり方は別記事でお知らせします
ヒートガンでステッカーを軽く温めると、劣化固着したノリが柔らかくなりますので。。。
この通り、キレイに簡単に剥がすことができます。
ステッカーの剥がし初めの部分を丁寧に扱えば再利用も可能です。
塗装剥離
激しい錆や大きな傷がなければ、このままコンパウンドで磨くだけでもかなりきれいな状態になります。
塗装が面倒な人は、磨いてステッカーを張り替えるだけでも結構良い感じになりますよ♪
ちなみにコールマン純正塗装はクリアを吹いておりませんので、磨くと色が落ちてやりすぎると下地まで到達しますので
ほどほどの研磨にしてくださいね。
トットは新しいカラーに塗りなおしますので迷わず剥離です。
タンクの中に剥離剤が入らないように養生します。
↑このペーパータオルは重宝します、いろいろDIYする人は必須ですよ♪
細く丸めて突っ込みます。
上の穴はこのパーツを利用します。
マスキングテープも使いこんな感じで大丈夫でしょう。
実は今回、3台同時進行で再生作業をしておりました。
そして剥離に使用する道具はこちら!!
剥離剤『スケルトン』と
バケツ、刷毛、スクレイパーです。
剥離剤の威力がすごいので扱う道具はすべて金属製です。
プラスチックのスクレイパーでは溶けてしまうのです 汗
このスケルトンという剥離剤は肌に触れるとチクチクとして、そのままにしておくと炎症してしまいます。
必ず保護する手袋着用です。。※ゴム手袋していても付着したら時間と共に浸透してきます。
剥離剤の色はブルー。。見た目だけで強力、凶悪な感じが伝わりますよね笑笑
刷毛でぬりぬり。。。
少しづつ塗料が浮いてきます
すぐに塗料が動いてきます
古い塗料ですとすぐにモコモコ塗料が浮いてきてこの状態になります
浮いてきた塗料をスクレイパーでこそぎ落とします
力を入れなくても簡単に取れます
取り切れなかった細かい塗料は、剥離剤と一緒に水で流してしまします。
刷毛を使うとキレイに落としやすいです。
塗装が取れてツルツルになったタンク
鉄が剥き出しなので水分が付着しているとすぐに錆びてきますので、注意が必要です!!
下地作り
剥離が終わったら塗装するための下地作りです
耐水ペーパーなどで表面に傷をつけます。
傷をつける理由は、金属面と塗料の接地面積を増やし塗料が剥がれにくくすることが目的です。
平らな面よりもデコボコしている面のほうが表面積が増え、デコボコ面に塗料が入り込みますので塗装が剥がれにくくなります。
トットは#320番のペーパーを使用しております
タンク全体に傷をつけます
特にこのポンピングシステムの装着部分は、念入りにペーパーを掛けます。
きちんとやらないとポンピングシステムを装着した際に、塗装が簡単に剥がれます。
※最近はこんな商品で研磨しております。
- 表面処理成分の効果により付着性を良くするとともに防錆力がアップします。
- 塗膜の足付けが確実で簡単です。
- 微粒子の研磨剤を使用しているので滑らかな肌が作れます
- 多用途の足付けに使用できます。
- リン酸被膜が形成される
1)水で濡らしたウエス、ブラシ、ナイロンタワシなどにSUウオッシュコンパウンドを付けて研磨する。
2)研磨後、リン酸皮膜処理の効果を得るため、約1時間そのまま放置する。
3)経時後、綺麗な水で十分に水洗いして乾燥させ、エコクリーナーまたはシリコンオフで脱脂する。
耐水ペーパーで研磨するよりも簡単で同時に足付けも完了してしまいますので作業工程が減りとても楽になりました♪
下地塗装
下地の研磨が終わったら今度は塗装の為のマスキングです。
こんな感じでざっくりとマスキング
針金とS字フックを使い。。
塗装中に引っかけるフックを作ります
そして塗装前の最終工程『シリコンオフ』
これは一家に1本必ずあったほうが良いです♪
油分というのはいろいろなところで悪さをしています、それをサッとひと吹きで除去できます。
わが子におもちゃのステッカー貼りを依頼された時にも必ず使用します笑笑
シュッとひと吹きしてペーパーなどでふき取ります。これだけで油分が除去できます
準備が整ったら、サーフェサーを吹きます。底面にも吹きますがあまり厚塗りしてしまうと製造年月の打刻印が埋まってしまいますので、底面は少し薄目で!
本塗装
写真撮り忘れです、、、
ごめんなさい
塗装が終わった完成したタンクです。
ちなみに2液性のウレタンブラックをテロっとするくらい吹いて、乾燥後同じく2液性ウレタンクリアをテロテロに吹きます。
ちなみにウレタン塗料は垂れにくいのでツヤツヤテロテロ感を出すのが簡単です。
結構、厚塗りしてもなかなか垂れませんので皆さん怖がらずに吹いてみましょう♪
※厚塗りし過ぎて垂れてもトットは責任取れませんので、自己責任でお願いいたします(笑)
コンプレッサーやスプレーガンなど本格的な機材を持っていない人は市販の缶スプレーでも代用できます。
底面もギリギリ打刻印は見えております。
磨き工程
内部機関のパーツたちです。
このパーツ群はすでにクエン酸漬けにして汚れを落としております。
※クエン酸漬けの方法は別記事にてご紹介しております。
キレイに清掃したパーツの鉄、真鍮部分をコンパウンドで磨いて参ります。
安定のピカールですね♪
ちなみに、この磨き作業を行ってもランタンの性能が特に良くなることはありません。
使う前の見た目がきれいになるだけで、使用すればすぐにススなどで汚れてしまいます。
面倒な人は飛ばしても大丈夫です。
組み立て
一通りの再生作業は終わりましたので、組み立てて行きます。
燃料バルブ
燃料バルブのパーツの組み立てです。
ジェネレーターの針を動かすパーツと燃料調整するためのパーツを組み合わせて内部に挿入します。
タンクから燃料を吸い上げるパーツをねじ込みます。
パッキンが劣化していたら交換もしますが今回は大丈夫そうです。
穴の中を確認して写真のような状態になっていれば正解です。
組み上げた燃料バルブ一式をタンクに取り付けます。
取り付ける際に必ず塗布しなくてはいけないものがあります。
『液体ガスケット』です。
鉄のタンクと真鍮部品ですからいくらきっちりネジで締めこんでも隙間は出来てしまいます。
このガスケットを塗布しないで組み込んでしまったら、
点火した際に隙間からガソリンが漏れてランタンが火だるまになってしまいます。
※トットは経験済み。。なかなかパニックになりますよ
燃料バルブとタンクの接合部に液体ガスケットを塗って
締めこんで固くなってきたら位置合わせします。
燃料を入れるところとポンピングの間に来るように微調整します。
タンクにガイドライン的な凹凸がありますのでそこを目安に位置合わせします。
※締めこみ過ぎると、ジェネレーターが取り付けられなくなることがありますので注意してください。
次に燃料調整ダイヤルを取り付けます。
このナットの中にカーボンでできたパッキンが入っております。
これも消耗品ですのですり減って小さくなっていたら交換です。今回はまだ大丈夫そうなのでそのまま行きます。
指で回しながら挿入するとカチッとハマるところがあります。
締めこむ強さは燃料ダイヤルの動きの固さを確認しながら適量締めます。。。決まったトルクがないので説明が難しいです。。
締め込みが甘いとここからガソリンが漏れてきますので注意!!
チェックバルブ
チェックバルブはポンピングシステムの先端に付くパーツです。
役割は、外からのポンピングにより送り込まれた空気をタンク内に送り、タンク内の空気は外に逃がさない逆流防止弁です。
このパーツにもゴムパッキンがついております、劣化している場合は交換が必要です。
ランタンを使用していて圧が抜けるのが早いと感じた場合はこのパーツが原因の時が多いです。
締め付けには専用工具が必要です。
でっかいマイナスドライバーでも代用できるのですが、万が一失敗したら二度とチャックバルブが外せなくなってしまうことがありますので専用工具を使うことをお勧めいたします。。
この工具で中にセットしたチャックバルブを締めます。
ゴムパッキンがついておりますのでそんなに強く締めこまなくても大丈夫です。
チェックバルブのトラブルは大体2種類に分けられます。
1.チェックバルブ内のボールの固着、変形
2.パッキンの劣化、未装着によるエア漏れ
1はクエン酸漬けでほぼ解消できます
2はパッキンの交換で解消
その他のパーツの取り付け
フィラーキャップ
締めるだけ。今回は塗装を剥がして研磨してピカピカに仕上げました。
このキャップのゴムパッキンが劣化しているとエア漏れします、タンクに圧をかけた後耳を近づけてエア漏れしていないか確認しましょう!
カラー
とりあえず置いておきます
フレームボトム
真ん中の穴を合わせてもう一つの丸い穴はランタンの後方に来るようにセットします。
こんな感じです
ジェネレーター
ジェネレーターを取り付けるときにクリップを固定するナットも先に入れておきます。
すでにナットが入っているのがわかると思います、ジェネレーターのフックを燃料バルブの穴に挿入します。
フックが引っかかったら、燃料ダイヤルを全開にひねります。すると引っかかったフックが下方向に引っ張られ抜けにくくなります。
ナットを軽く締めてジェネレーターを仮止めしておきます。
ベースフレーム
ベースフレームの取り付けです。下はフレームボトムの丸い穴に合わせながら上はジェネレーターを穴に合わせなが取り付けます。
この際にジェネレーターが軽く動いてくれると位置合わせしやすいので、前項目の段階では仮止めにしてあります。
ベースフレームはクリップで固定します。
先に挿入しておいたナットを締めることで全てのパーツが固定されるので、それぞれのパーツの位置確認をしてからナットを締めこみます
ナットを締めるとカラーも動かなくなりますので位置を確認してからナットを締めてください。
ここでジェネレーターのナットも本締めします。
※先ほどの燃料バルブ一式を取り付けする際、締め込み過ぎるとこのナットが締め付け出来なくなります。
ヒートシールド
ヒートシールドの3つの脚の一つをベースフレームの穴に合わせクリップで固定します。
ヒートシールドの役割は燃焼中のマントルの熱がタンクへ行かないように守っております。
ポンピングシステム
ポンピングシステムは5つのパーツで構成されております。
劣化したリュブリカントオイルで汚れている場合はキレイにふき取りましょう。
ポンプカップも消耗品ですので分解した際には交換をオススメします。
革製のポンプカップのほうが動きが滑らかなので、トットは交換の際は革製にしております。
革製のポンプカップは最初オイルをたくさん吸い込みますのでたっぷりと塗布します。
挿入したらタンクの凹凸に合わせて捻って固定します。
燃料ダイヤルは全閉時に右方向に水平になるように取り付けます。
グローブとベンチレーターを乗せて、ボールナットで固定したら完成です!!
ステッカー貼り
締めのステッカー貼りです。
今回どちらのステッカーにしようか迷いましたが
こちらに決定!!!
ステッカーを張る前にもシリコンオフにて脱脂は忘れずに!!
↑シリコンオフは日常でも使っておけば良い場所はたくさんありますので一家に一本常備しておきましょう(笑)
完成
完成した画像をどうぞ!!
ブラックボディとブラックベンチレーターでシックに引き締まったランタン、そこに赤のコールマンのデカールがアクセントとなっております。大型ツーマントルランタンなのでこれ一台でもキャンプサイトでは煌々と十分な灯りを照らしてくれます。
ブラックケースに入れて持ち運べばグローブの破損も防げます。
斜め上から見ても美しい!!
ウレタン塗装だからできるこのしっとりとした艶感♪
内部のパーツも磨き上げておりますのでピカピカ!!
火入れするのがもったいないです(笑)
これは286Aを200A風にカスタムしたお気に入りのランタンです♪
キャンプの夜を盛り上げるランタンの光、LEDランタンは手軽で安全で便利なのですが、ガソリンランタンのとても癒される灯りをLEDランタン派の方々にも是非とも感じて欲しいです。
そんなガソリンランタンをオリジナルにカスタムしたらさらに気分が盛り上がってきます。
その気になれば誰でもできるランタンカスタム、皆様のご参考になれば幸いです。
何かご不明な点等ございましたらお気軽にコメントください♪
長々とご覧いただきましてありがとうございました。
最近キャンプをやり始め、実家の倉庫から全く同じ型のランタンを発見し、どうにかメンテナンスできないかと思って当記事に辿り着きました。大変参考になりました!しかしレベルが高すぎて自分では分解できるか不安です。。
メンテナンスはどこかでやってもらえるものなのですかね?解ける所まで分解して掃除して、まだ怖くて火もつけられてません笑
コメントありがとうございます。
構造自体は単純なので理解してしまえば比較的簡単にメンテナンスできるのが、このランタンの良いところです。
自分でメンテナンスすると愛着も湧いてきます♪
しかしガソリンを使用しておりますので最初は怖いかもしれませんね。。
自信がなかったらプロに任せましょう。。
コールマン直営店で有償メンテナンスはやってもらえます。
https://www.coleman.co.jp/customersupport/repair/
もし、自分でメンテナンスしてわからない事があったらまたコメントしてください。
丁寧にお答えします。