前回の【分解編】からの続きです。。。
コールマンの定番人気ランタン ノーススター2000を新品以上にする企画
前回、全部品を分解いたしましたので、今回はその部品を細部にわたって修理、清掃します。
目次
全体清掃、修理
ノーススター2000といったらコレ!自動点火装置
ノーススターシリーズといったら、360CPの大光量と電池式の点火装置が特徴です。
↓これが自動点火装置ユニットです。
↓装置の確認!少し先端がとろけています
きっと光量調節ダイヤル辺りからの漏れたガスに引火して溶けたのでしょう。
マイナス側の端子、若干腐食しております。
プラス側の端子が緑色になっているのわかりますか?こちらも若干腐食しております。
電池式の点火装置の電池は長期使用しないときは、必ず電池を外しておかなければいけません。(取説にも記載されております)
電池を使う製品はなんでもそうですが、消費して古くなった電池を装着したままにしておくと、電池の液漏れで内部の機械を壊してしまいます。
電池を入れてボタンを押してみましょう。。。
反応なし。。。
原因を特定するためにボックスを開けて見ます。
開け方がわからなかったのでいつも通りいろいろ予想しながら、やってみました。
ボックス上部に端子を固定しているビスを外して、あとは強引にラジオペンチで引っぺがしました。
たぶんこのやり方が正解だと思います(笑) ちゃんと開けることができました。
特に基盤は腐食した形跡やハンダのクラックも見当たりません。
外のボタンと中のボタンはこんな感じで接触します。
↓オフ状態
↓オン状態
このボタンのクリアランスがズレてくると、赤いボタンを押しても中のスイッチに届かなくなるときがあります。その際はスイッチの隙間に何かを挟んで隙間を埋めて対応します。
中は問題なかったので、元に戻して電極をコンタクトスプレーで掃除してみます。
↓これ電池式の製品にいろいろ使えますのであると便利です♪
電池をセットして
正面の赤いボタンを押してみると。。。
体に電気が流れました。。。
大した電流ではありませんが良い子はマネをしないでください。
電池の接続端子が軽く腐食していただけなので簡単に直ってしまいました♪
この部品の故障で自動点火を諦めて『ちゃっかマン』で点火をしているという声を多く聞きます。簡単な修理で直ることがありますのでトライする価値はあると思います。でもあくまでも自己責任でお願いします(汗)
↓直せなかったら少々高価ですが、ユニット一式交換しましょう
ベンチレーターの清掃 補修
ベンチレーターの汚れはひどくありませんが、落下したときに出来たであろう、塗装のハゲと歪みが気になります。
塗装のハゲは再塗装するしかなさそうですが、ベンチレーターは使用時とても高温になる部品ですので、耐熱塗装がされております。いろいろな方がDIYで塗装を試みておりますが、なかなか難しいみたいです。なので今回は塗装のハゲは諦めて、歪みだけ補修していきます。
↓上からの圧力により折れ目ができています
↓本来はこんな感じで折れ目はありません
↓折れ目ができたことによる塗装の剥離
↓こんな工具で直していきます
↓マイナスドライバーの先端にビニールテープを張って傷が付かないようにします
歪んだ隙間にマイナスドライバーを入れてテコの要領で隙間をこじ開けて行きます。
↓少し折れ目が伸びて真っすぐになってきました
伸びてきた鉄板を叩いてさらに真っすぐに伸ばしていきます。
↓まだ少し歪んでおります。
↓さらに叩き続けると
↓これは歪んでいない正常な柱です。
これくらいで問題ないでしょう♪
ベンチレーターも新品部品は販売しておりますので、そのうち交換したいと思います。
ちなみにノーススター2500用のベンチレーターも互換性があるので取り付け可能。2500用のベンチレーターはレッドやブルーもありますのでノーススター2000で存在しないカラーに変更することもできます。しかしタンクはグリーンしかないので自分で塗装しましょう。
ジェネレーターの清掃
タンクから上がってきたガソリンを霧状にしてマントルに送り込む部品です。
筒の内部にはスプリングのような物と針のような物が入っております。これは磨いた後の状態ですが最初からそんなに汚れてはおりませんでした。車用のガソリンを使用したことのあるランタンはこのパーツがススで真っ黒になっていることがあるそうです。
※ホワイトガソリンは不純物が少ないので黒いススが出にくくなっております。故に価格も若干高くなっているそうです。
ホワイトガソリンは不純物が少ないので黒いススが出にくくなっております。故に価格も若干高くなっているそうです。レギュラーガソリンでも問題なく使用できますが清掃等のメンテナンスが面倒な人は、若干高価でもホワイトガソリンの使用をオススメいたします。
↓この細い針が上下することによって混合気の量を調節してます。
比較的キレイだったのですが、ちょっと洗浄したらさらにピカピカになりました。このパーツが汚れていると、混合気をスムーズにマントル内に送り込むことができなくなり、炎が不安定になります。
ジェネレーター本体もきれいに磨きます。
金属の研磨にはピカール!トットは中学生の頃から使っております。
ジェネレーターも新品部品があります。
ジェネレーター外部の汚れは、燃焼に全く影響ありませんがピカピカにすることによって見栄えが全然変わります♪
燃料調整ダイヤルとチェックバルブ
ガソリンの量を調節して明るさをコントロールする重要な部品です。
ダイヤルのパーツはウォーターポンププライヤーで外しました。
オーリングが2つ付いてます。このリングが劣化してくるとガソリン漏れします。
今回はまだまだゴムに弾力がありましたのでそのまま使用、劣化防止の為シリコーングリスを塗布しておきました。
↓綿棒の先にグリスを付けて塗ります
後はしっかり締め付けて戻します。
次はチェックバルブの点検、清掃です。
↓タンク内に空気を送り込む際の重要な部品です。
先端の細い部分が稼働します。この先端が固着してしまうと空気がタンク内に入りません、開きっぱなしで固着してしまうと内部に圧が掛かりません。固着防止の為シリコンルブを塗布しておきます。
↓これもいろいろなところで使えるので一家に1本あったら便利です。
ポンププランジャ―の点検、清掃
ポンププランジャーはタンク内に空気を送り込むポンプです。このポンプが劣化してくるとポンピングがスカスカになって、空気を送り込むことができなくなります。劣化している場合は部品交換になります。
↓軽く押し込んでみると圧は掛かりますのでまだ使えそうです。
写真に写る、同じ種類のタンク、実はとってもキレイなタンクがメルカリに出ていたので購入してしまいました。今回清掃しているタンクは再塗装してイメージチェンジの時に使う予定です。
↓このオレンジの物体は!!!
本来、スポンジが入っているところにオレンジの物体が!これは白いスポンジが劣化して、オレンジに変色してこのような状態になっておりました。スポンジの面影はなく触るとポロポロと崩れてしまいました。
※2つあるポンプフランジャー一式の一つは新たに購入したタンクについていた物です。
このスポンジのところにポンプカップ専用潤滑油(リュブリカント)を染み込ませておけば、使うたびにオイルが浸透していきます。定期的に自分でオイルを注入すればスポンジがなくても問題ありませんのできれいにオレンジの物体は除去しました。
↓仕上げにポンププランジャ―のフタにある穴から、リュブリカント注入!
フィラーキャップ
タンクのガソリンを注入するところのキャップです。
フタの内部にはゴムパッキンがあります、このパッキンが劣化してしまうとガソリンやエアー漏れの原因となります。劣化している場合はキャップごと交換になります。今回パッキンは劣化しておりませんのでそのまま使えそうです。
ただガソリンスタンドのようなマークが、若干色が劣化しているので、プラモデルのカラーで塗っておきます。使用したカラーはグランプリホワイト。
↓しばらく使用していなかったプラカラーでしたので綿棒で混ぜ混ぜ!
↓慎重に色を落としていきます。
↓ついでに光量調節ダイヤルも塗っておきます。
↓完成
写真ではわかりにくいですが白がはっきりして良い感じです。(少しはみ出してしまいましたが。。。)
バーナーフレームの点検、清掃
バーナーフレームは若干の汚れはありましたが致命的な傷等はありませんのでピカールで軽く磨いて終了です。
↓この先端のキャップは取り外しできますので、網の部分の汚れはキチンと落としておきます。
ヒートシールド、歪み等ないので軽く磨いておしまい、上部のマントルを取り付ける部分は磨くと金色に輝くのですがマントルを装着すると隠れてしまうので省略。。
こちらも組み立ててしまったら、隠れてしまうのですが真鍮の筒とボルトは磨いておきました♪
Coleman ノーススターを組み上げる
全体の点検、清掃がおわりましたので組み上げていきます。途中説明しましたがメルカリで程度の良いタンクを、入手できましたのでそちらのタンクを使用しての組み上げです。
燃料バルブの取り付け
燃料バルブをタンクに取り付ける際は、新しい液体パッキンを塗布します。
ホルツの液体ガスケットシール
バイクや車のシリンダーなどに使う製品なので高温にも耐えられます。ランタンを定期的にメンテナンスする方は、一つ購入しておけば数年間は使用できるので購入したほうが良いアイテムです。
きつくなるところまで回すと正面にダイヤル取り付け部がきます。
ダイヤルの穴に合わせて、カラーを乗せます。
燃料バルブを右に回してオフの状態にする
ダイヤルキャップをかぶせる、ダイヤルの向きはお好みで(笑)
プラスのネジを閉めて終わり
顔みたいです
家などにオブジェとしてディスプレイするならば、この向きで飾ったほうがかわいいかもしれません。
ジェネレーターの取り付け
燃料バルブジェネレーターの各パーツを内部にセットしたら燃料調整バルブに取り付けます。
ジェネレーターを燃料調節バルブに取り付ける際、向きに注意!必ず正面のから引っかけましょう。画像は裏側から引っかけておりますので間違えです。このまま取り付けるとバルブ側とジェネレーターに隙間ができてガソリンが漏れます。
※試運転の時ガソリンが漏れてきました。。。あとでちゃんと直しました。。。
ジェネレーターのナットを専用工具またはプライヤーでしっかり回し固定します。
バーナーフレームの取り付け
バーナーフレームの穴にジェネレーターを傷つけないように通し、バーナーの穴にジェネレーターを差し込みます。きちんと位置が決まったらセンターのボルトを差し込み固定します。
ヒートシールドとマントルの取り付け
ヒートシールドはツメを穴にはめ込むだけです。そして最近のマントルはとても簡単に取り付けができるようになっております。
グローブとグローブガード、ベンチレーターを取り付けたら完成です♪
コールマンランタン ノーススター テスト点火!!
状態はきれいになりましたが、実際の機能はどうでしょうか。。。
マントルを空焼きして点火してみました!!
点火時には、軽く炎が上がりますが慌てないでください。
すぐにポンピングをしてタンク内の圧を上げましょう。
しばらくすると炎が安定してきます。
↓まだ安定していない炎
シューという心地よい音と共に炎が安定してきました♪
これは明るい!!まぶしくて直視できないくらいです。
確かに他のサイトに迷惑を掛けてしまうレベルかもしれません。
その後も燃焼テストをし続けましたが、炎はずっと安定しておりました。
ノーススターを新品以上にする まとめ
今回メルカリで購入した『コールマンランタン ノーススター』をすべて分解して点検、清掃をしたら新品に近い状態まできれいにすることはできました。目標は新品以上だったのですが、結論は何年も使用した物は新品以上にはなりません。。。
メンテナンス自体はとても簡単なので、定期的にメンテナンスしていれば、部品が供給してくれいる限りとっても長く使えそうです。
これからこのランタンを大切に長く使い続けたいと思います♪
ガソリンランタンに興味が出てしまったので、また違うガソリンランタンを購入しようとメルカリで探しまくってます(笑)
最近のコメント